レンジャーの基礎訓練の振り返り
レンジャー訓練とは
陸上自衛隊で最も過酷な訓練と言われてるレンジャー訓練。
よく誤解されがちだが、レンジャーとは資格のことで実際にレンジャー 部隊というのは存在しておらず災害派遣などの場面で一般隊員ができないような危険な任務でレンジャーの資格を持った隊員が活躍したりする。
強いてレンジャー部隊と呼べるものがあったとするなら特殊作戦群などが挙げられます。
この過酷な10週間の訓練を耐え抜いた者だけが与えられるレンジャー隊員の証、レンジャー徽章は全陸上自衛官の憧れでもあります。
最も精神的に辛かった生存自活訓練
この訓練は蛇や鶏やウシガエルを殺し、さばいて食べる訓練で、
他にも火器がない状況での火の起こし方や、
泥水を飲めるようにするろ過方法を学びました。
この訓練で本当に気が滅入ったのは鶏を捌く訓練でした。。。
鶏の自分が殺される前の恐怖が伝わり自分自身も辛くなり殺している時たまらず号泣してしまったのです。

この当時の状況を詳しくまとめつつ具体的な蛇、鶏、ウシガエルのさばき方を解説した記事はこちらです。
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鶏とウシガエルのさばき方講座!
マムシ、青大将のさばき方講座!

助教にしごかれまくった体力調整訓練
レンジャーの体力調整と呼ばれる訓練にはいくつか種類があります。
ざっくり分けるとこんな感じです。👇
- 筋トレ系
- 10マイル「16キロ」走などの走る系
- 障害走
- 格闘訓練
レンジャー訓練開始式を終えて体力調整訓練に移行する時の事が今でも鮮明に覚えています。
助教たちが気合十分で僕たちに向かってきて滅茶苦茶にしごかれました。
普段の自衛隊生活では決して見ることができない、
レンジャー同期である陸曹たちがボロクソに言われながら引き摺り回されながらしごかれてる姿が衝撃的でした。
10マイル走と呼ばれる16キロの距離の山道を小銃持って武装した状態で走る訓練では団結力が一層固まったのかな?と思いました。
僕自身も途中バテて列から離れていきそうな時に同期に背中をずっと押してくれていたお陰で最後まで脱落せずに走り抜くことが出来ました。
👇は10マイル走前に『誰も脱落せずにみんなで乗り切るぞ!』的な円陣組んでた時のです。
障害走もがむしゃらに走ってはいたがどうしてもバディとのペース差ができてしまいバディに叱咤されて悔しかったな。。。
格闘訓練では本格的に人を殺傷する訓練でした。
敵の背後から忍び寄り模擬ナイフで視界を奪い喉を刺す訓練したり。
突きや蹴りを1000回反復したのはキツかった。。。
太ももの皮が擦りむけたロープ渡り訓練
ロープ訓練ではセーラー渡り「ロープの上から渡る」とモンキー渡り「ロープの下から」の2種類があって
モンキー渡りがなかなかハードで特に太ももの内側の皮が擦りむけたのがキツかったですね。
痛そうな顔してると助教に叱咤されるし。。。
他にもリペリング「ロープ降下」は練習台でやるだけでなく実際にヘリコプターで空中から降下できたのは良い経験でした。
僕自身高所恐怖症だったので始めは慣れるのに本当に時間がかかりましたが最終的に同期と同様必要レベルまで到達できたのは嬉しかったです。
崖からのロープ降下も内心楽しかったです。
ここで僕が言葉で説明してもイメージしにくいと思うので、
かつて僕が在籍していた広島の部隊が訓練展示でレンジャーの訓練内容を公開した動画があるので見てみてください!

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水路潜入訓練
僕たちレンジャー隊員が敵戦地へ潜入する際、
潜入手段は大きく3つに分かれます
- 陸地潜入
- 空路潜入
- 水路潜入
陸地とは言わずもがな大型トラックや装甲車などの自衛隊車両で潜入する手段
空路とは空挺レンジャーなどが行うパラシュート降下や、
先ほど上記でも取り上げたリペリングというヘリコプターからのロープ降下で敵陣地へ潜入する手段。
そして海からボートで陣地へ乗り込む水路潜入です。
この水路潜入訓練ではボートで目的地まで移動する訓練だけでなく
万が一おぼれた際の、戦闘服上衣で空気を作り水中で浮く訓練や、
ヘルメットで水中に浮かぶ訓練もしました。
このボートの運搬要領は、ボートに乗り込むメンバー全員で手で運ぶか神輿のように肩に担いで移動します。
このボートは思ったより重いのです。。。
ボートでオールを漕ぎながら移動するときも常に現在位置を掌握するために地図判読をする役割の人が中にいます。

ボートでみんなでオールを漕いでる時は助教たちが円陣つきのボートで隣接しながらスピーカー使って
『コラー!』『さっさと漕がんか!』『寝るなー!!』『どこ行きよんじゃー!』
と叱咤激励してました。
訓練当時は周りの景色を楽しむ暇なんて微塵もありませんでしたが、訓練終了時に頂いた写真の風景があまりに綺麗でした、、、
地図判読訓練で予想外のハプニング
山地にて行われる地図判読訓練。
まず現場に到着すれば各バディ『2人1組』に分かれ各配置につき、
各バディに一人の助教がついて山地における地図の判読とコンパスを駆使し方角を定めて移動する訓練が始まりました。
実はADHDである僕はこのような紙地図を読み取って想像し、
地形と地図の位置を一致させる事が大の苦手。
要するに地図判読のようなセンスを問われる訓練がてんで出来ないのであった。。。
とわ言えこの訓練では逐次助教が僕たちに現在位置を教えてくれ、地図を見ながら
「あの山の稜線が地図で行ったらここだ」「あの電線が地図ではここに当たる」
と解説してもらいながら移動できたためどうにか理解しつつ訓練できました。
しかし、この後僕らの身にあるトラブルが襲いかかる、、、
途中、別バディと合流して計4人の僕たち教育者と2人の助教とで移動していた時の事。
夜にさしかかり、疲労がピークに達した僕に眠気が襲った。
フラフラしてる僕に喝を入れようと説教してる助教の前で、
なんと僕は説教されてる最中にも関わらず寝てしまったのだ、、
それを見て『やる気スイッチ』が入った助教は地図判読を中断し、僕以外の同期3人に丸太を持たせ
地図判読が苦手な僕を先頭に立たせ『お前が地図を読んでみんなを案内し目的地まで達成しろ』
と言われました。
ここからはかなり地獄で、疲労も相まって地図がほぼ読めない僕はもはやフラフラ山地を徘徊するだけの状態、、、
仲間3人はずっと丸太を待たされたまま僕について行ってる状態。。。
その光景を見ながら『おいここはどこや!』『どこに向かいよんじゃ!』
と茶々を入れる助教たち、、、
だんだんと僕に対し殺気が立ち込め出す同期3人。。。
何はともあれ訓練は無事?終了。
僕は丸太をとばっちりで持たされた同期3人から物凄く責められました。。。
その光景を偶然見かけた助教が止めに入り僕たちにとても刺さる言葉を言ってきた👇
『こうやって仲間を責める奴は最終的には自分の恋人、家族、嫁、子供に対しても同じことをするぞ!』
『そのことを肝に銘じとけ!』
と言われ僕を責めていた同期3人は黙っていました。

それでもやはり訓練中に寝てしまった僕に怒ってるバディは僕に『あれはいかんやろ!』と怒ってきた。
僕もいじけてしまっていたので無視をしてました。
そしたらしばらくバディに口を聞いてくれませんでしたね。。。

まとめ
この基礎訓練が終わると次は後半のレンジャー訓練の本番、想定訓練の始まりです。
基礎訓練が終わり後半の訓練が始まる前、僕たちレンジャー同期は教官たちに許可を頂いたので団結会を行いました。
久々の酒を美味しくみんな嬉しそうでした。
『この基礎訓練ですでに2名脱落したが絶対にもう誰も脱落することなくやり遂げるぞ!』
と決意を新たにしました。
次は地獄の実践訓練の体験談を書いていきますので楽しみにしてください!
それではまた会いましょう!
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