レンジャー訓練体験記
僕のレンジャー訓練体験談を話していこうと思います。
僕が自衛隊を辞めてから出会う人たちのほとんどが僕の自衛隊体験談を聞きたがります。
特に1番興味を持たれるのがなんといってもレンジャー訓練の話。
レンジャー訓練では数え切れない壮絶な経験をしました。
特に後から判明したことですが、僕はADHD「注意欠陥多動障害」とASD「自閉症スペクトラム」だったので特に苦労しました。。。
前置きはこのくらいにして行きましょう。
レンジャー訓練の世界をどうぞ垣間見てください。
動画でもどうぞ!
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そもそもレンジャー訓練とは?
いわば現代のゲリラ訓練で陸上自衛隊の中で最も過酷な訓練と言われています。
よく勘違いされてる方が多いのですがレンジャーというのはいわゆる自衛隊の中の「資格」のようなもので10週間の教育訓練「民間会社でいう研修期間」を修了することでその資格が与えられます。
この訓練をやり遂げた時に与えられるレンジャー徽章「きしょう」、通称レンジャーバッチは全陸上自衛官の憧れでもあります。
このバッチの形には意味があって、真ん中にあるのがダイヤモンド、その周りに月桂樹の葉がダイヤを囲んでいます。
月桂樹の葉には『勝利』という花言葉があり、要するにこのバッチの意味は
ダイヤのような硬い意志で過酷な試練に打ち勝った者
という意味が込められています。

実際にレンジャー部隊というのは存在しておらずレンジャー訓練を受けた隊員はその訓練を終えた後も、新隊員教育隊を卒業したのちに配属される原隊に所属します。
災害派遣などの有事の際に、一般の自衛官ではこなせないような任務が生じた際、このレンジャーという資格を持ったレンジャー隊員でその都度その任務をこなすための部隊を編成して任務をこなしたりするのです。
強いてレンジャー部隊と呼べる部隊があるとすれば、特殊作戦群などが挙げられますね。
もちろんレンジャー隊員も通常の訓練、任務をこなしています。
レンジャー訓練は志願制の訓練で志願したものの中から素養試験というものがり体力テストや身体検査を受け、
その中から合格したものしか受けられません。
誰でも簡単に挑戦できる訓練ではないのです。
定員が決まってるかどうかは僕にはわかりませんが、僕が挑戦した期では各部隊から志願して来た隊員の中から30人が合格しました。
この30人がいわばレンジャー同期と呼ばれます。
レンジャー訓練は大きく基礎訓練と行動訓練に分かれていて前半の基礎訓練でレンジャー隊員としての必要な知識、技術、体力をつけてから後半の行動訓練で山地などの現場にて実践的な訓練を実施します。
よくメディアなどで取り上げられてるレンジャー訓練の様子は前半の基礎訓練の場合が多いです。👇
僕のレンジャー訓練への志願動機
僕がレンジャー訓練を志願した理由はすごくシンプルでそれは
入隊当時の営内班長「上官的な立ち位置の人」のレンジャー体験談を聞いて胸が熱くなったから笑
班長の壮絶なレンジャー体験談を聞きながら、他の同期がゲ〜!とか怖い、、、ってリアクションをとってる中、僕だけがその話を聞きながら身体が熱くなってたことは今でも鮮明に覚えています。
この入隊当初の段階から近い将来必ずレンジャー訓練を修了し全ての男性自衛官が憧れる『強さの象徴』レンジャーバッチを胸につけると決意した!
そして入隊3年目、、、
当時25歳、体力もイケイケで遂にレンジャー訓練に挑戦する”時期”が来たと思い一念発起し志願することに!
周りの仲間も行け行け〜!と後押しをしてくれ半ばノリと勢いでの志願でした。
だがしかし、、、
志願はしたものの、日が近くなるにつれどんどん怖くなってきました、、、
不安が表に出だして来たから上官に

と打ち明けたら
とか言って後押ししれくれたお陰で頑張ろうと思えて辞退せずにすみました。
いざ!レンジャー訓練の素養試験へ!
レンジャー訓練のスタートラインに立つ為の試練、素養試験が始まりました。上記でも述べましたが、素養試験は体力試験と身体検査の2つがあります。
体力試験の内容は以下の通りとなっています。
- 年齢
- 36歳以下
- 身体検査
- 背筋力:150kg以上のもの
- 脈拍:運動後の脈拍を測り、脈拍数が一定の基準以下のもの
- 血圧:最高血圧140以下~100以上、最低血圧89以下~60以上
- 心電図:正常なもの
- 握力:左右とも40kg以上のもの
- 視力:(1)裸眼視力0.6以上、又は裸眼視力0.2以上で矯正視力1.0以上のもの (2)夜間視力が正常で眼科疾患等のないもの
- 色覚:正常なもの
- 肺活量:3,200cc以上
- 尿検査:糖、たんぱくとも陰性なもの
- 体力検定
- 次の基準以上のもの
- 300m疾走(60m折返し):60秒以内
- 手榴弾投てき:30m以上
- 土のう運搬50m(50kg担いだ状態から):14秒以内
- 懸垂:最高回数
- 腕立て伏せ:最高回数
- 起き上がり(2分以内):最高回数
- かがみ跳躍:最高回数
- 2000m持久走(小銃執銃):9分30秒以内
- 体力検定の実施要領
- 全ての種目を1日で終了する
- 戦闘服上下、戦闘帽、弾帯、半長靴で実施する
- 上記基準で「最高回数」と書かれた種目がある。実際には判定基準があるがレンジャーの資格検査は自己の持てる全ての力を出しきることを基本とするので、あえて記載しない。
- 水泳技能
- 泳法自由:100m以上
- 潜水:10m以上
- 立泳ぎ:1分以上
引用源はこちら:http://rzt.sakura.ne.jp/ranger/002010about_ranger/002040/
試験を受けた時の心境は正直にいうと合格できるとは全く思っていませんでした。
たかが陸士長の階級で3年目のペーペーが経験年数豊富で体力バリバリの陸曹たちでひしめく中で生き残れる自信はありませんでした。
でも悔いは残したくない一心で精一杯やりました。
結果は、、、
まさかの合格、、、
予想外の合格に少し困惑もしました。
嬉しいという感情はあまりなくこれから始まる地獄を想像し、緊張感が高まりました。。。
兎にも角にもこうして30人の中に選ばれることとなりました。
不合格となった者はその日に各々が所属している各部隊へ原隊復帰となります。
素養試験合格後のレンジャーの異様な身上調書、、、
素養試験合格発表後、合格者一人一人の身上調書を受けることに。
身上調書とは、自衛隊のどんな教育前にも行われるもので、要は教育者と被教育者の1対1で、
「不安なことはないか?」「この教育に対する意気込みは?」「一緒に頑張ろう!」
的な話をする場を設けられるのですがレンジャーの身上調書はかなり特殊でした。
指定された部屋へ呼ばれるとそこには
5人くらいの幹部の教官たちが僕が座る椅子の周りを半径1,5mくらいの距離で半円を描くようにしてパイプ椅子に座ってて、人によっては足を組んで威圧的な態度とってたりして重い空気が立ち込めていました、、、

ただのイメージです
当然教官みんな真顔で、、、
誰も笑ってなくて、、、
うわー、、、と思いながら指示に従い席に座りそのまま身上調書スタート。
会話内容は全て覚えてる訳ではありませんが、こんな感じのやり取りでした👇
教官:レンジャー訓練への志望動機は?
俺:自分の精神面を強くしたいからです。
教官:ほう!では、ここがどんな所でこの訓練ではどんなことするかわかってるのか?かなり過酷になるが。
俺:はい
教官:ほんとか?
俺:はい
教官:ほんとか?
俺:え、、はい
教官:ほんとか!!?
俺:、、、はい!
↑こんな感じで何度も圧をかけながら聞くことで、目の動きや表情などの挙動を観察しながら意思の強さや覚悟を吟味されてるような感じでした、、、
それを見てる僕の周りで半円を描くようにして座ってる幹部教官たちは、僕が質問に答える度に持ってるバインダーに何か書き込んでいました。
そんな状態でやり取りをしてようやく身上調書が終了。
部屋を出たらホッとしました。
そんなこんなで長い1日がようやく終了。
明日から訓練開始式を経て長い地獄の10週間が始まりまる、、、
そう思いながら眠りにつきました。
現段階では僕たち被教育者側は穏やかに過ごせていました。
この段階ではまだ教官、助教たちはまだ対応が優しかった。
明日から豹変するんだろうな。。。
続きは別の記事で。またお会いしましょう!
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